お金は節税しない方が残る?節税してもお金は増えない。

節税

税理士役目のひとつとして節税の提案があります。
ただ、税金を減らせば良いかというとそうとも限りません。

そもそも節税とは

税金の計算を簡単に示すと次の通りです。
税金=(売上-経費)×税率
(ここでいう「税金」は法人税や所得税を想定しています。相続税や消費税などは計算方法が全く異なります。)

税率はすでに決まっているので、納税者側で動かせるのは売上と経費です。
税金を下げるには売上を減らすか、経費を増やすかです。

ここであるべき売上を除外するのは脱税です。存在しない経費を入れるのも脱税です。

なので通常の節税は合法的に経費を増やします。

節税額<支出額

良くある節税策として30万円未満の備品を買ったり生命保険に加入する方法があります。
それ以外にも巷にある節税は経費を増やすもので、お金が出ていくのが通常です。
ですので、税金を減らすことだけに意識してはいけません。
繰り返しですが
税金は 「税金=(売上-経費)×税率」と計算します。
ここで売上100、経費40、税率が30%と仮定して
節税した場合としない場合でどれだかお金が出ていくか比較します。

①節税をしない場合
(100-40)×税率30%=税金18
ですので出ていくお金は税金の18です。

②節税として経費を30追加で支出する。
(100-40-30)×税率30%=税金9です。
①と②を比べると②は節税したことで税金が18→9に減りました。
税金が減ったのでバンザイ、とはなりません。
出ていくお金は税金9と追加した経費30の合計39です。

①節税しない②節税する
節税のための支出30
税金の支払い189
支払合計1839

つまり、節税したほうが出ていくお金が多くなっています。

節税よりお金を残す方が大事

事業の目的は税金を抑えることではないですよね?
会社のお金(キャッシュ)は人間の血液にも例えられ、事業を行ううえでお金は非常に重要です。

お金がなければ仕入れできませんので、売上が立ちません。
お金がなければ給与を払えませんので、会社が回りません。
お金がなければ利益が出ていても、会社が成り立たないので黒字倒産します。
お金を回すことで事業が回ります。

ですので節税だと言って必要でないものにお金をかけると効果がないどころか首を絞める結果になりかねません。

まとめ

節税には色々ありますが、単に税金だけをみてやらないようにしましょう。
節税ばかり意識して脱税してしまったり
過去の節税のせいで将来莫大な税金を払わないといけない場合もあります。