毎年、年が明けると所得税の確定申告の準備が始まります。
ご自身の確定申告を自分でやろうか、それとも税理士の頼もうか。
悩ましいところです。
あまりコストはかけたくないが、間違った申告はしたくない。
そもそも何をするのかよく分からない。
自分でできないこともありませんが、意識してほしい点を以下で後述していますので
自分でやるか税理士に頼むかの判断の参考にして頂ければ幸いです。
確定申告の内容・難易度は人それぞれ
個人の確定申告といっても、その内容は様々です。
個人事業主・フリーランスのように事業をしている方や、
サラリーマンだけど不動産の売買があって今年だけ申告する方、
副業や投資で申告が必要な方等々、難易度も税額も人それぞれ違います。
難しくても調べてできてしまう方もいるでしょうし、忙しくて手が回らない方もいらっしゃるでしょう。
ですので、確定申告を自分でやるべきか、税理士に頼むほうがいいか一概に言えません。
がんばれば自分で申告はできる
例えば、医療費控除や特定口座で取引した株についての還付申告や損失繰越は
必要な資料さえそろっていれば、数時間で終えることも可能です。
分からなくても、今ならネットで色々な情報を集められます。
また、確定申告時期になると、書店に「自分でできる確定申告」のような書籍が並びます。
毎年最新版が発売されるので、それを参考にすればできるでしょう。
さらに、税務署や確定申告相談会などで相談することもできます。
税務職員や税理士が相談することで申告することも可能かもしれません。
千円の税金還付を受けるために、税理士に数万円払うのはもったいないので
一度自分でできないか情報収集されてみるのがいいと思います。
自分で申告する判断の際意識してほしいこと
ただし、自分で申告するか判断する際、次のことを意識されるといいでしょう。
年に一度しかやらない
所得税の確定申告は、一年間の結果をまとめるイベントです。
申告には時間と労力がかかります。
まず、当然一年分情報をまとめるのでそれなり(かなり)の時間を書類集めや情報収集に使います。
何をすべきか分からないので、「分からないことが分からない」状態です。
そこから、数字を集計したり書類を書いたりと、慣れない作業でストレスもかかります。
また、相談するため税務署や相談会へ行くと、毎年たくさんの人で行列ができています。
このように貴重な時間や労力を使って無事申告が終わっても、次にやるのは一年後です。
逆にいうと、確定申告で得た経験や知識はこのタイミングでしか活かされません。
それでもご自身の本業にシナジーがあればいいですが、
確定申告の経験が今後にどう生かせるか、費やした時間や労力とのバランスを意識さえるといいでしょう。
よくわからないので間違えやすい
書籍やネットでの情報があっても、確定申告になじみがない方がほとんどかと思います。
独特な書類や法律用語は、やはりわかりにくいですし、わからないまま進めると
どうしてもどこかでミスをしてしまいます。
また、たとえば事業や不動産所得がある場合に、所得税の申告することだけ気にしていて、実は消費税の申告・納付が漏れてしまったり、事前に届け出をしなかったので
青色申告ができないといったトラブルも起こり得ます。
結果的に税理士と契約していた方がコストが安く済んだかもしれないこともあります。
本業に時間を使ったほうがいい
先ほど書いたとおり、確定申告は準備から申告を終えるまで時間と気力を要します。
しかも、それで仕事のスキルが上がるわけではなく、申告自体間違える可能性もあります。
同じ時間と気力を使うのであれば、それを本業に使うことで
より売り上げを伸ばしたり本業のスキル向上に努める選択肢もあります。
仮に税理士に5万円で頼んでも、空いた時間で売上を10万円増やせるなら、頼んだほうがプラスです。
ご自身の時間単価や、機会損失も意識されたほうが良いでしょう。